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「うわ。顔真っ赤。美崎さんのそういう初々しい反応も好きだな」
ニコッと微笑まれて。
私は完全にノックアウトを食らった。
二神さんにここまでされて、好意を抱かない女なんてこの世に存在しないと本気で思った。
小休憩のつもりがあまり休憩にならなかった。けれど、とりあえず何とか残りのソフトクリームを二人で食べ終えた。
私は無理やり気持ちを立て直し、次に建物内のお土産屋さんに向かった。
「二神さん。見てくださいこれ! かわいいっ!」
この地の名産物かな?
キャラクターで有名な猫が、みかんの被り物をしている。手のひらサイズのぬいぐるみキーホルダーに私の心は持って行かれた。
「…美崎さんって、可愛いね」
「それ、どういう意味ですか?」
小馬鹿にしたような、含みのある言い方をされて、私はムッとした顔を向けた。
…確かに今日、私のテンションは高めで、舞い上がっているとは思う。
でも、明らかに子供扱いされたら面白くない。
「何とでもどうぞ! このキャラのぬいぐるみ集めているのです。私、この子買ってきます」
「俺が払うよ」
「へ?」
言うと同時に二神さんに、ひょいとぬいぐるみを奪われてしまった。
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