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「今からリフレッシュしに行こうと思う。美崎さんは山道とか平気? ちょっと坂を登るし、くねくね道行くけど車酔いとか大丈夫?」
「大丈夫です。昔から乗り物酔いとかしたことないです!」
「そうなんだ。良かった。山の上に秘境の温泉があるんだ」
「秘境の温泉!?」
そのキーワードに私は過剰に反応した。
「お風呂大好きです! でもあまり温泉とか行ったことなかったので嬉しい!」
温泉なんて家族旅行で数えるくらいしか行ったことが無い。
友達と小旅行に行っても行先は遊園地だったり、観光スポットでお買い物三昧だったり。
日帰りで温泉なんて…なんて贅沢、そして大人の遊び方なんだろう!
「喜んでもらえてよかった。年寄り扱いされる覚悟だったから」
二神さんは運転しながら言った。
「二神さんを年寄り扱いなんてしませんよ」
確かに子供っぽい私からしたら二神さんはとっても大人だけれど、年寄りだとは思ったことは無かった。そう思い、フフッと私も笑みを溢した。
「…じゃあ今日の俺は、彼氏扱いしてね」
「えっ」
不意打ちパンチを食らい、浮かべていた私の笑顔は一瞬で崩壊した。
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