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「…うわ。嫌そうな顔」
二神さんは運転しながらちらっと私を見て笑った。
「…別に私、いやそうな顔したわけじゃなくて驚い…」
「いいよ。無理してフォローしなくても。今日デートに付き合ってもらっているだけで、十分僕にはご褒美です」
「ご褒美だなんて、そんな大げさです!」
「大げさじゃないよ。この数週間の激務を乗り越えられたのは、美崎さんとのデートを楽しみにしていたから。今日は絶対仕事入れたくなかったから、前倒して頑張って済ませたんだ」
「…私とのデートの為に、前倒しで仕事を…?」
おっかなびっくり尋ねると、二神さんはくすっと笑った。
「もちろん、仕事を中途半端に投げたくなかったのもある。けれど、美崎さんの貴重な時間を俺にくれたんだ。ちゃんと楽しんでもらえるように、
…振り向いてもらえるように、今日は全力で、美崎恋乃香さんに尽くさせていただきます」
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