98人が本棚に入れています
本棚に追加
十数分後、洗い物を済ませ、ついでにシンクをピカピカに磨きあげた私は、することがなくなって落ち着かなくなった。
今のうちに、本当に帰ってしまおうか。
…いやいや勝手に帰った日には、どんな目に合わされることか…。恐ろしい…!
なんて思っていた矢先、リビングのドアがガチャっと開いて肩が跳ね上がった。
「わ! 早かったですね…」
うわー…お風呂上がりの二神さん、…艶かしい…!
スーツじゃない二神さんはどうしてもまだ見慣れない。
髪が濡れたままの二神さんを直視できなくて、慌ててソファに座り、ピンと背を伸ばした。
そこへ後ろから封筒を差し出された。
ん? 何?
「見ていいよ」
振り向き、戸惑いながらも封筒を受け取る。封はすでにあいていた。中の物を取り出していると、私の横に二神さんが腰かけた。
「…写真? あ!」
そこに映っていたのは、私と、二神さんだった。
「これ…。こないだのラビータ迎賓館ですか!?」
封筒をちゃんと見たら、ラビータ迎賓館のロゴが入っていた。
「ラビータの百瀬さんが送ってきてくれたんだ。ブライダルフェアの様子を撮ったものらしい。俺たちが映っているけど、ホームページに載せてもいいかと打診があった」
「えええ! それはまずいですよね?」
最初のコメントを投稿しよう!