*愛のしるし*

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十数分後、洗い物を済ませ、ついでにシンクをピカピカに磨きあげた私は、することがなくなって落ち着かなくなった。 今のうちに、本当に帰ってしまおうか。 …いやいや勝手に帰った日には、どんな目に合わされることか…。恐ろしい…! なんて思っていた矢先、リビングのドアがガチャっと開いて肩が跳ね上がった。 「わ! 早かったですね…」 うわー…お風呂上がりの二神さん、…艶かしい…! スーツじゃない二神さんはどうしてもまだ見慣れない。 髪が濡れたままの二神さんを直視できなくて、慌ててソファに座り、ピンと背を伸ばした。 そこへ後ろから封筒を差し出された。 ん? 何? 「見ていいよ」 振り向き、戸惑いながらも封筒を受け取る。封はすでにあいていた。中の物を取り出していると、私の横に二神さんが腰かけた。 「…写真? あ!」 そこに映っていたのは、私と、二神さんだった。 「これ…。こないだのラビータ迎賓館ですか!?」 封筒をちゃんと見たら、ラビータ迎賓館のロゴが入っていた。 「ラビータの百瀬さんが送ってきてくれたんだ。ブライダルフェアの様子を撮ったものらしい。俺たちが映っているけど、ホームページに載せてもいいかと打診があった」 「えええ! それはまずいですよね?」
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