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「およそ、彼氏彼女の会話じゃない…」
ドアに背を預け、ずるずると座り込んだ。
もちろん、怒らせてしまった私が悪いのは重々承知。
いつも引っ張ってくれる二神さんに甘え、流される形でここまで来てしまった。
二神さんと恋をすると決めたのは私。
遅かれ早かれいずれ、それなりに覚悟を決めなくちゃいけないとは思う。けれど…
「か、覚悟って…」
いきなりお風呂は、…ハードル高すぎます…。
そうは思っても、このまま浴びずに脱衣所を出たら、今度こそキレた二神さんに服を脱がされる。
…私は意を決めるとブラウスのボタンに手を回した。
*
「…二神さん、お風呂、いただきました…」
たっぷり時間をかけて髪まで乾かした私は、二神さんが用意してくれたTシャツと、ハーフパンツに着替えて、奥のリビングのドアを開けた。
「丁度いいタイミング。ご飯できたよ」
「え!?」
ダイニングテーブルには、スープと美味しそうなオムライスが並べられていた。
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