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二神さんは私の顎を掬いあげ、にこりと最上級の笑顔を浮かべながらそっと、キスをした。
少し、触れただけなのに、電流が流れたみたいに背筋がぞくっとなった。
「…異議はないですけど、塞いだら駄目です…!」
二神さんは私が抵抗して作った隙間をたやすく零にする。再びゆっくりと近付く二神さんの唇を、両手で塞いだ。
二度目は本気でするつもりはなかったらしく、すぐに離れたため、塞いでいた手を下げた。
「恋乃香って初い…ガード堅いよね。てか、未だに俺に怯えてる?」
「怯えてなんか…」
いる。いないとは言えない…。
言葉を詰まらせると二神さんはふわりと笑った。
「もう少し、恋乃香の方から距離を縮めてくれる?」
二神さんは私の顔を覗き込みながら言った。
うわ…。どうしよう追い詰められた。
逃げ場がないっ!
「…すみません。決して、かまととぶるつもりはないのですけど、その…」
内心、どうしたらいいのかパニックだった。
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