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二神さんのことは好き。もちろん、触れられるのも嫌じゃない。
でも、…やっぱり恥ずかしさが勝る。
「上司の二神さんが、私の恋人なんだって頭では分かってます。サプライズの告白もすごく嬉しかったですし、その…」
手元の私と二神さんのツーショット写真を見ても、まだ信じられない。
どうしても、この時の様に婚約者のフリだったと言うオチなんじゃないかと思えて仕方がなかった。
「…こんな未来が待っているなんて、バイトしてた頃の私には夢にも思いませんでした」
二神さんは私の言葉を聞いた後、そっと、写真を持つ私の手に触れ、包み込んだ。
驚いて顔をあげると、優しい目をした二神さんと視線がかち合った。
「俺もこんなに早く、届くとは思わなかった。歳も離れていたし、想いが通じるなんて無理だとずっと諦めが勝っていた。だけど、今は触れられる距離にいる」
二神さんは私の両頬に触れ、顔を持ち上げるように上に向かせる。
「…待ってください。二神さん…」
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