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「…久しぶりに会ったんだろ。行って来ればよかったのに」
再び行って来ればと言われて、胸がざわついた。
「それ、本気で言ってるなら、いくら私でも怒りますよ?」
「なんで?」
「なんでって…」
表情変えずに聞き返されて、思わず目を思いっきり見開いた。
「…二神さんはイヤじゃないのですか? 私が他の男の人と食事に行くの」
「恋乃香が行きたいなら」
二神さんの発言が私には理解できず、信じられなかった。
「…私は二神さんの気持ちが知りたいのです。つまりイヤじゃないってことですか?」
眉間にしわが寄るのを止められない。
言葉を荒げても二神さんは冷静で、表情を少しも崩さなかった。
「恋乃香が楽しいならイヤじゃないよ」
え…? 本気で言ってるの?
私が他の男性と楽しく食事しても…イヤじゃないの?
嘘でしょ…?!
私はバクバクする胸を押さえ、困惑した。
「…恋乃香は、俺がイヤだと、行くなと止めて欲しいの?」
「止めて欲しいです。でもっ…」
「行く、行かないかくらい自分で決めて」
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