*その時なんて来なければいい*

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二神さんから放たれた言葉が、冷たく突き放されたように感じて、私は息を飲んだ。 信じられないものを見つめるような目で、二神さんを見てしまった。 「…行かないって、私、きめました。だから…」 何かが喉に引っかかったみたいに苦しい。 言葉を詰まらせている間、二神さんは私を見つめ続けた。 「食事に行くとかってプライベートなことだよね。恋乃香が行かないと決めてそう連絡をしたのなら、それでいい。別に俺にいちいち報告することないよ。仕事じゃないんだから」 「…つまり、私が何をしようと興味がないってことですね?」 自分で放った言葉がブーメランのように返ってきて胸を突き刺す。 「なんで興味がないってなる?」  「…怪我をして治療しに来てくれた時も、二神さんから高橋くんのことは聞いてこなかった」 感情の舵が取れない。 気持ちが溢れそうで、声が震えた。 「同級生って聞いたからそうなんだろうなって。高橋さんについてはそれ以上興味ないから聞こうとも思わなかった」 「…私もあの時高橋くんについて話すことはなかったので、しませんでした」 二神さんから視線を逸らし、ぎゅっと両手を膝の上で固く握る。 崩壊して零れてしまいそうな涙をぐっと、飲み込み続けた。 「恋乃香、本当は食事に行きたかったんじゃないの?」 二神さんの発言に私は顔を上げ、目を見張った。
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