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「恋乃香はこの条件でいいの?」
「もちろんです。大賛成です!」
二神さんはくすっと笑った。
「式まではずいぶん先だけど、出来ることはゆっくり進めていこうか」
「ゆっくり進める? 例えば? 式の会場を抑えるとかですか?」
三年も前に会場を抑えるってあまり聞かないけれどと思いながら聞いた。
すると、二神さんは私の手を取った。
「会場を抑える前にまずはこの指に合うリングを探しにいくとか」
「え…?」
左手を持ったまま優しく見つめられ、ドキッとした。
「お互いの両親に挨拶に行くとか」
「えええっ!?」
挨拶と聞いて、ぐわっと汗が出た。
「…挨拶って、なんか、リアルですね。緊張しますね…」
「同時進行になるけど、色々デートもしよう」
「わ!」
腰をぐっと引っ張られ、私は倒れるように二神さんに抱きしめられた。
「二神さん…あの」
「ごめん。少しだけこのままで」
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