*花嫁の憂鬱*

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「俺との結婚で悩んでない?」 「な、無いです! 悩んでませんッ! まだ式の準備も始めてませんし、マリッジブルーになる要因はそんなに…」 私は慌てて手を顔の前で振って否定したら、二神さんはくすっと笑った。 「まあ、恋乃香の場合は、俺と付き合う前がマリッジブルーだったね。本当に俺でいいのかって」 「…違います。本当に二神さんの相手が私でいいのかって悩みました!」 しつこいようだけど、それについてはいまだに自信が持てない。 二神さんの奥さんになる相手が私でいいのかな?  …“奥さん”のワードが頭に浮かび、急に顔が熱くなった。 「じゃあ今は悩んでいないんだ?」 「…わかっているのにわざと尋ねる二神さんは意地悪だと思います」 赤くなってしまったであろう顔を誤魔化すために、ちょっと大げさに膨れ顔を作った。 「ふーん。今は悩んでないんだ。そっか」 私のわずかな抵抗なんてものともせず二神さんはにこりと、嬉しそうに笑った。 …なんだろう。この追い込まれている感…。 二神さんの笑顔がなぜか怖い!
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