82人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺との結婚で悩んでない?」
「な、無いです! 悩んでませんッ! まだ式の準備も始めてませんし、マリッジブルーになる要因はそんなに…」
私は慌てて手を顔の前で振って否定したら、二神さんはくすっと笑った。
「まあ、恋乃香の場合は、俺と付き合う前がマリッジブルーだったね。本当に俺でいいのかって」
「…違います。本当に二神さんの相手が私でいいのかって悩みました!」
しつこいようだけど、それについてはいまだに自信が持てない。
二神さんの奥さんになる相手が私でいいのかな?
…“奥さん”のワードが頭に浮かび、急に顔が熱くなった。
「じゃあ今は悩んでいないんだ?」
「…わかっているのにわざと尋ねる二神さんは意地悪だと思います」
赤くなってしまったであろう顔を誤魔化すために、ちょっと大げさに膨れ顔を作った。
「ふーん。今は悩んでないんだ。そっか」
私のわずかな抵抗なんてものともせず二神さんはにこりと、嬉しそうに笑った。
…なんだろう。この追い込まれている感…。
二神さんの笑顔がなぜか怖い!
最初のコメントを投稿しよう!