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「…結婚に不安というか、…二神さんと離れることに不安はあります…」
先延ばしにしている私たちのこれから。
二神さんは流されて決めるなというけれど、どういうことが流されるにあたるのか、頭では理解してもいまいち実感としては分からない。
夢を追うことも、好きな人の側にいることも、どうしてどっちかなんだろう。
欲張りなのかもしれないけれど私は…どっちも選びたい。
「恋乃香はどれくらい俺と離れると不安? 一日? 一週間? 一カ月?」
「え? …分からないです! 今はいつも一緒にいるのが当たり前というかそれが普通なので…」
正直言えば、仕事でもいい。…一日一回は顔を見たい。
「一日以上会えなかったら、大丈夫かな。無理してないかな? って不安になります。二神さんは仕事詰め込み過ぎなので、心配です。少しでも役に立てるよう、お手伝いできるように早くなりたいです」
「不安というより、俺が心配なだけ?」
二神さんはくすっと困った様子で笑った。
「…私に心配されてもしかたないかもしれませんけど…」
「いや。嬉しいよ。オーバーワークだって気に掛けられるってことってあまりないから新鮮」
「えー…? それ、嘘ですよね?」
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