*花嫁の憂鬱*

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今まで二神さんに周りの誰もオーバーワークだって言わなかったのかな? 仕事量も、責任も二神さんならこれくらい普通ってみんな思ってるのかも…。 どんなに大変でも仕事中二神さんは疲れているところを絶対に見せない。気取らせない。 「…今日も疲れてますよね?」 「いや? まだ働けるくらい」 「ダメです! …やっぱり離れるの不安かも!」 新店舗で支配人になればどれだけ忙しくなることか。 仕事を無限なく抱え込む性分の二神さんは、いつか本当にぶっ倒れるかもしれない。 「私、やっぱり…」 「ストップ。俺基準で自分の行動を決めるなよ」 「…なんでですか。さっき嬉しいって言ったじゃないですか。私は二神さんを支えられるようになりたいです」 「…気持ちは嬉しいよ」 二神さんはさっき以上に困った顔で笑った。 「…気に掛けられるだけで、満足なんてしないで下さい」 膝の上で手をぎゅっと握った。
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