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「…ッ本当ごめんなさい! 私は大丈夫ですから、早く帰って休んでください」
「嫌だ。それに恋乃香といる方が癒される。もう少し居ていい?」
またやっちゃった。失敗した!
二神さんに甘えてばかりいたら駄目なのに。
もっとしっかりしなくちゃいけないのに…!
そう頭では分かっているのに、二神さんの腕の中は恐ろしいほど落ち着く。
ずっと二神さんの温もりを感じていたくて、心からとろんと溶けて何も考えられなくなる。
返事をせずに黙っていると、そのまま近くのソファに押し倒された。
「え? あの…!?」
仰向けになり、視界が天井ではなく二神さんの顔でいっぱいになって初めて意識が戻る。
頬を撫でられ、視線が合うと、二神さんは優しく私の唇を塞いだ。
「十分間、ずっとキスでもする?」
「…そんなことしたら、私が溶けて消えます…!」
恥ずかしくなって顔を両手で隠した。
「…溶けられると困るけど、本当に溶けるか試してみようか」
「お願いです! 試さないでください!」
必死で懇願すると、二神さんは冗談だよと言って体を起こし、私を開放した。
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