*花嫁の憂鬱*

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「これ以上は俺の理性がもたないので、セーブします」 「…二神さんの理性が外れたところ、見てみたいかも」 「…この状況で、俺を挑発するなんて言い度胸だね」 じろりと睨まれて、背筋がぞわっとした。 「挑発したつもりは…。ただ、冷静じゃなくなったら二神さんはどうなるのかなって…」 「ああもう。それ以上何も言わないで。マジでキツイ。俺にめちゃくちゃにされたくなかったらちょっと黙って」 「め…」 めちゃくちゃ?  それは困ると思って、思わず手で口を塞ぎ私は黙った。 「…すみません。黙ります…」 ソファに並んで座り、肩を落とした。 「…もし、恋乃香が何かを犠牲にしてしまうことがあるのなら、その時はそれ以上に俺が幸せで満たしてあげる」 二神さんの言葉に顔をあげる。目が合うと、二神さんはにこりと微笑んだ。 「だからまぁ、覚悟しておいて」 「覚悟…?」 「うん。めちゃくちゃに幸せになる覚悟?」 私は思わずぼっと火が点いたみたいに、顔を中心に全身が熱くなった。
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