ルーティン

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「唐突ですかね、いきなり?」、こういうふうに云えば…。僕は、何かの拍子で彼女に話しかられる機会があれば、どんな風にお昼をお誘いすればいいか、考えを巡らしていた。やはり、悩ましかった。落ち着いた物言いでなければと。でも、この僕には所詮できないことだった。第一、あがり症だし。きっと、声が上ずるだろうな。といいつつ、あのおしゃれな店で、オムライスが、いいかなんて。 でも、ほんと惜しいことをしたと。あの日、偶然にも、同じタイミングで、改札を出たのに。すぐ後ろに佳人が。そうして、一緒に並んで歩いた。しかも、互いに見つめ合いながら。だけど、咄嗟な出来事だったから、言葉が浮かばなかった。だから、次にこういうことがあった時のために。でも、うまくいくかな。
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