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ピンチの時にやって来て、苦しんで、死にそうになっている人々を助けてくれる、子供の頃夢中になって見ていたスーパーヒーローのアニメを、その瞬間思い出した。
でも、俺が知っているヒーローは瞳がきらきらしていて、優しそうで、いかにも皆に好かれているようで…眩しい笑顔を皆に向けていたはずだ。
少なくともこんな淀んだ瞳で、無表情で、何を考えているか分からないような人ではなかったはずだ。
だけど、雨の中差し伸べられた手は間違いなく俺に向けられていて、アニメのヒーローと同じ台詞を跪く俺に向けて、掠れて消え入りそうな声で言った。
「助けに来たぞ」
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