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男がコーヒーを2つ持って戻ってきたので、俺は再び質問をぶつけることにした。
「で、あんたは一体…」
「名前は…西崎。歳は29で、サラリーマン。以上」
「え、おわり!?」
「他に何があるんだよ」
何か言いたげな顔をしている俺を見ずに、涼しい顔でコーヒーを飲む男…西崎。俺は反論したかったけれど、喉が乾いていたので注いできてもらったコーヒーを飲むことにした。
いつものように、机の上に置かれていたシュガースティック2本と、ミルク2つを入れたところでフッ、と笑われた。
「やっぱり子供じゃないか、本当に23か?」
「は?別にいいだろ!甘党なんだから…本当に23なんだよ!子供扱いするな!」
またもや気にしていることをぐさりと言われてしまう。腹が立ったけど、西崎が表情を変えたのはこれが初めてだったので、ちゃんと表情が変わることに安心した。ロボットのように思っていたからだ。
「ってそうじゃなくて…」
「そっちの名前は?」
「俺も名乗るのかよ!」
「俺はちゃんと自己紹介したじゃないか」
「そういう問題じゃなくて…まだあんたがなんで俺をつけてたのか分かってないし…」
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