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金曜の夜
俺は女を買う。
ホテルのラウンジに足を踏み入れ
息が止まった。
ちょっと待て
ちょっと
待ってくれ…
何かの間違いじゃないかと願い女に近づいて、声をかけると驚いたように体が跳ねて立ち上がる女
少し前の彼女の姿を思い出して
自分の顔が歪んでいくのがわかった。
それは向こうも同じで目を見開いたまま2人の時間が止まった。
「宮…ざ…わ?何でお前がここにいる?」
「……」
答えない目の前の女の子に、無意識に声が大きくなる。
「宮沢!答えろっ!何でお前がここにいる!」
「…あんたみたいなのがいるからじゃん……何?偉そうに教師のくせに…」
俺を見上げていた宮沢の顔が汚いものを見るような表情に変わって乾いた笑い声
俺をあんたと言った…
「それに…もう私はあんたの生徒じゃない…」
彼女の言うことは間違えてはいない。
それでも…
「お前…なんでこんな事してる?」
聞かずにはいられない。
諦めたような表情に
「センセーに買われたからだよ」
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