ある日のこと

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確か…綾の実母は生まれてすぐに綾を実母の母の再婚相手の娘である、妹に預けたと聞いている。 僕も綾の後に続いて(軽く飛んで)玄関に行くと、綾が丁度、ドアを開けるところだった。 「母さん、どうしたの?」 綾が言うと、開いたドアをすり抜けるように入ってきた、着物姿の女の人は 「開口一番、それなの?綾。娘に会いに来ちゃいけないのかしら?」 と言った。 それに対して、首を横に振りながら、 「…そういうわけじゃあ…」 と綾は少し困り顔。 「ピーっ(綾、上がってもらったら?)」 と僕が言うと、 「え?あ?何?ソレイユ」 綾は僕を抱き上げた。 あ、いつもの首輪はめるの忘れてた…。 僕は綾に抱き上げられたことにより、綾のお母さんをしっかり見ることが出来た。 また、僕も見られてる…。 その表情は驚きの表情だ。 ……まあ、そうだよね。 普通はいない存在だもの、僕。
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