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綾はちょっとごめんと言って、その場から離れてスマホに出る。
その間に僕は薫に首輪をつけてもらった。
よし、これでりっちゃんと話が出来る。
「りっちゃんはどこに住んでるの?ここから遠い?」
りっちゃんは翻訳機である首輪に驚いた。
「ソレイユちゃんの言葉が分かるわ。凄いわね、これ」
「しゅごいでしょ~」
これは莉愛の声。
莉愛を見つめるりっちゃんは優しい表情だ。
まさにお母さんの顔。
あ、莉愛のお母さんは薫だけどね。
「薫さん、いつも娘がお世話になって、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いしますね」
そう言ってりっちゃんは薫と莉愛に頭を下げた。
薫も莉愛も頭を下げて
「こちらこそ、いつも綾さんにお世話になってます。こちらこそ、ありがとうございます」
「はぁーい、綾ちゃん大しゅきー」
それぞれ言った。
「ありがとうね、莉愛ちゃん」
りっちゃんはとても嬉しそうだ。
そして、今度は僕とマリィを見て、マリィをぎゅっと抱き締めた。
「マリィちゃん、無事元気になって良かったわ」
マリィは突然の出来事に驚いてはいたが、
「心配かけてごめんなさい、ありがとうございます」
と返していた。
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