04) 壊れない愛恋

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「ちょっと……何?」 「淋しくないのかなって、思ったっす」 今までそんなこと考えたこともなかったのに……左近自身、そんな事を訊ねた自分に驚いていた。 「あっ、いや、いいっす」 「本当に変わったわね……花梨ちゃんのお陰かしら?」 モモエがクスクス笑う。 「かっ花梨は関係ないっす」 「関係ないって何のこと?」 「ヘッ!」 突然の声に左近は間抜けな声を上げる。 「あら、花梨ちゃん。こんにちは。茶太郎とお散歩?」 クックッと笑いを噛み締めながらモモエが訊ねる。 「はい。それとおつかいです。お爺ちゃんが食後にリンゴが食べたいって。三個下さい」 「あいよ」と返事をしながらモモエは千蔵の思いを悟る。 そうやってできるだけ花梨を外に出そうとしているのだなと。 「とっておきのリンゴを選んであげるからね」 「よろしくお願いします」 花梨の声がいつも以上に明るい。 「左近ちゃん、今夜楽しみだね」 なるほど、とモモエは思う。 今夜のお出掛けが相当嬉しいんだな、とモモエを笑みを零す。 「花梨はジイちゃんたちと行くっすか?」 「うん。元治さんの車で行くって言ってたよ」 「私も一緒だよ」 両手に大きなリンゴを持ったモモエも答える。 「左近ちゃんは華桜さんと行くの?」 そう言えばどうやって行くんだろう? 首を捻る左近にモモエが「あらっ」と驚いたように言う。
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