04) 壊れない愛恋

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「ウワッ!」 T字路になった横道から、突然眩しい光が飛び出してきたのだ。 普段の元治なら、咄嗟にハンドルを切りブレーキを掛けていただろう。だが、今日の元治は疲れ切っていた。判断を怠った脳はブレーキを掛けることなくハンドルを川に向かって切ってしまった。 それは本当に一瞬の出来事だった。 あれっ? あれは紗希子さん? 左近は目の端に、目を大きく見開き、何か叫んでいる沙希子の姿を見たような気がした。 だが、そこまでだった。プツリと映像は途切れ、左近は意識を失った。 ここはどこだろう? 乳白色の深い霧の中で左近は目を覚ました。 ズキンと後頭部に痛みが走る。 クソッ、何があったんだ? 確か元治さんの車で……そこまで思い出し、アッと辺りを見回す。 他の皆んなは? 花梨はどこだ!  「左近、目覚めるのが遅い!」 「えっ? 華桜さん!」 霧の向こうから華桜の姿が現れる。 「華桜ちゃん、しょうがないでしょう。衝撃が強かったんだから」 「モモエさん!」 続いてモモエが現れる。 「いったいどうしたっすか?」 「事故っちゃたんだよ」 モモエが答える。 「人間は柔よのう」 「えっ、他の皆は? 花梨は!」 フーンと華桜が意味深に口角を上げる。
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