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「拒否!」
「ちょっとぉ、まだ何も言ってないっす」
「聞かなくても分かる。どうせ、つまらぬ質問だろう」
華桜がツンとソッポを向くと、白夜が「華桜、拗ねていないで聞いてあげなさい」と優しく諫める。
「左近、何だい? 言ってみなさい」
嗚呼、本当に女神様だ。雄猫だけど……男だけど……。
美人な上に心まで綺麗だと左近はしみじみと白夜を見つめる。
「其方、殴られたいのか?」
途端に飛んでくる地を這うような黒い怒りの声。
華桜の嫉妬レーダーが作動したようだ。
「今、邪な気持ちで白夜を見ただろう」
「ごっ誤解っす。俺、白夜さんにそんな気、全く無いっす!」
「フン、どうだか」
華桜は訝しげな眼で左近を見る。
「第一、弟神使。お主、初恋もまだだろうが。好きになるのが女とは限らないではないか!」
左近はもげそうになるほど首を左右に振る。
「ナイナイ! 男は無いっす。それに初恋あるっす」
「何! それは本当か?」
左近の頬が薄っすらピンク色に染まる。
「花より団子の其方に初恋。ほほう、面白い聞かせよ!」
イヤ、それより質問がと思う左近だが、有無も言わさぬ華桜の眼光に渋々口を開く。
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