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嘘だろ! 愕然としながらも、不承不承仕事を熟すのが少年……もとい、左近だ。こう見えて根が真面目なのだ。
“悟り屋”での彼の仕事は、主にティッシュ配りと家事全般。華桜が家事能力ゼロの女だからだ。なのに口だけは達者で左近を顎で使いまくる。
誰が食事の支度をしていると思っているんだ!
面と向かって反論したいところだが、左近は意外に利口だからしない。なぜなら、その数十倍以上で反撃されることを知っているからだ。
だが、神使とて怒りの感情はある。
幾度となくこの仕事を止めようと思い、その度に白夜を思い、自分がいなくなったらさぞかし困るだろうと踏み止まっては後悔する、という悪循環を幾年も繰り返してきた。
こんな風に果てないジレンマと闘いつつ、左近は“悟り屋”のバイトを続けているのだが……本当にこの店が何を生業に生計を立てているのか、今以て見当が付かないでいた。
指示通りポケットティッシュを配っているが……。
宣伝効果はあるのだろうか?
本当に役に立っているのだろうか?
月日が経つに連れ、左近の中に多くの疑問が生まれていた。
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