完璧男子に類なし Merry christmas

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完璧男子に類なし Merry christmas

「兄と別れてください」 は? いきなり家に呼び出したかと思えば、 こいつは何を言っていやがるんだ。 目の前にいる、瀬戸の弟こと瀬戸汀は 俺を睨みながらそんなことを言いやがる。 「兄貴と違ってお前はバカなのか?結論言う前に過程を言え」 「今から言います」 汀は腕を組んで俺を強く睨んだ。 「この間のテスト、兄は2位でした」 「俺は15位だったぞ。難しかったんだろう」 「先日のテストなんて3位でした」 「俺は7位だったぞ」 「あなたと付き合ってから、兄の学力が低下しています」 「でもベスト3に入ってるんだから、たいしたもんじゃねぇか」 汀が打ってくる球を、俺は次々と打ち返す。 「そ、それに、最近兄はやつれた気がします」 「バイトのしすぎだろ。コンビニと家庭教師だっけ?」 「あなたがところかまわず兄に手をだすから、兄が疲れているんです!」 「だったらバイトを減らせよ。つーかお前もバイトしろよ」 「・・・・・・どうしても兄と別れないんですね」 「いやいや、今の理由で別れられるか!」 まるで漫才のようだ。 しっかりした弟のように見えて、実はこいつは天然なんじゃねぇか。 「それなら、僕にも考えがあります」 「なんだよ」 「あなたを呪います」 ・・・・・・好きにしろよ。
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