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「今夜は用事があるので、すみません」
その凛とした色気にあてられたように、二人の男はかすかに顔を赤らめる。
「そ、そっか、じゃ、またな」
「はい、また誘ってください」
「お、おう」
青年のすらりとした体躯が扉の向こうへと消えると、男二人は一瞬なんとも言えない沈黙に包まれた。
「な、なんかアレだな、アイツって」
「うん、……アレ、だよな、ウン」
意味のない会話が、一気に色気のなくなった空間にぽそりと落ちる。
そしてそのあとはまたヒグラシの涼しげな泣き声だけが、気怠い夏の一日の終わりを静かに告げていた。
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『イン ザ バスルーム』へ続きます!
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