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「今夜は用事があるので、すみません」  その凛とした色気にあてられたように、二人の男はかすかに顔を赤らめる。 「そ、そっか、じゃ、またな」 「はい、また誘ってください」 「お、おう」  青年のすらりとした体躯が扉の向こうへと消えると、男二人は一瞬なんとも言えない沈黙に包まれた。 「な、なんかアレだな、アイツって」 「うん、……アレ、だよな、ウン」  意味のない会話が、一気に色気のなくなった空間にぽそりと落ちる。  そしてそのあとはまたヒグラシの涼しげな泣き声だけが、気怠い夏の一日の終わりを静かに告げていた。 ******************************************************************* 『イン ザ バスルーム』へ続きます! お読みいただき、ありがとうございます!
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