//* 188 * 再建の日

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それに大臣が口を開こうとするが、上手い考えがまとまらなかったのだろう。 他の貴族も、今、この時期に、即金で、というこの言葉は重いようだ。 これは、さすがに商売上手というところか。だが、馬車は手配できると見ていい。ここまでお膳立てしてもらったのだ、あとは地力を見せようじゃないか。 「ロゼさんだったか。」 「ええ、ルーク様。何でしょう?」 「その即金、即金というからには金額は決まってないんだろ?早い話、金額次第でどこまでいけるかが決まる。」 「ふふ、話が早くて助かりますわ。」 ここまでは想定通りだ。 「では、銀貨10枚だとどこまでだろうな。」 「……この状況ですので、だいたい二つ先の町まででしょうか。」 「随分と高くでたな。」 「ふふ、出発を遅らせては?」 ロゼは笑みを浮かべつつ、それが冗談ではないことを告げている。
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