//* 188 * 再建の日

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「話はまとまったということでいいかね?」 大臣がこちらに話かけてくる。貴族たちも黙って待っていてくれたようだ。 「ああ、すまなかった。こっちは大丈夫だ。」 「なら良かった。本来なら十分な褒美を与えるべきなのだが、今出来るのはこのくらいだ。出来ることであれば、我々が立ち直った際は、再度機会を設けたいと思っている。」 大臣のその言葉に貴族の何人かが頷く。 「では、全て整い次第、書状の用意をして取り交わしをするということで良いですかな?」 それはロゼに向けられていた。 「もちろんですわ。またお会いできることを楽しみにしております。」 ロゼはそう言うと立ち上がり、広間から出て行った。商談が終わったので、無駄な時間を使うのを避けたのだろうか。本当に聞いていたどおりだ。
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