お前に話がある

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山師の秀さんと、妻のカスミさん、そして、カスミさんのペットの猫・チャッコが、田舎の山奥の一軒家に住んでいた。秀さんとカスミさんは50代ぐらいのどこにでもいる中年夫婦で、チャッコは、カスミさんが、街の友達の家の近くに捨てられているのを拾って来た、手と足が白、頭と体が黒と灰色の縞模様のどこにでもいる雑種の猫だ。 ある日、秀さんが山でヤマネという山鼠を拾って帰って来た。玄関で、秀さんは、カスミさんに言った。 秀さん「母さん、これはヤマネという鼠で、なかなか珍しい鼠なんだぞ。」 カスミ「まあ、ほんと可愛らしい。籠の中に入れて飼いましょう。」 奥の風通しのいい部屋で寝ていたチャッコが、カスミさんの声を聞いて、玄関の方へやって来た。チャッコを見て、秀さんは言った。 秀さん「チャッコ、ヤマネを捕ったら承知せんぞ!!」 ヤマネは、チャッコが先程寝ていた部屋とは正反対の、和室の部屋で籠の中へ入れて飼われることになった。        一 3日後 一 朝御飯を食べ、秀さんが仕事に出た後、カスミさんは洗濯をしようと洗濯機の部屋に行こうとすると、ヤマネのいる和室の引き戸が少し開いているのが見えた。 カスミ「戸が少し開いてる。まさか!!」 カスミさんは和室に行き、恐る恐る和室の引き戸を開けた。 カスミ「あ!!」 カスミさんは、和室の中の光景を見て、思わず叫んだ。和室の中は、鳥籠がひっくり返り、上半身と下半身を真っ二つに切断されたヤマネの上半身だけが、部屋の片隅に転がっていた。 カスミ「なんて酷いことを・・・・チャッコ・・・・許さん!!お父さんが帰って来たら言わないかん!!」 昼過ぎ、意気揚々とチャッコ専用の出入口から帰って来たチャッコは、腹が減ったのか、昼御飯を作っている後ろ姿のカスミさんを見て、"ニャー"と一鳴きした。 カスミ「あっチャッコ!!あんたはヤマネをあんなふうにして!!」 カスミさんはチャッコの頭を2発、パンパンと右手でスナップを利かせて、強めに叩いた。チャッコは、口をあけて怒りながらも逃げて、チャッコ専用の出入口から外へ出て行った。 夕方、仕事から帰って来た秀さんは、晩御飯を食べながら酒を飲み、上機嫌になりながら、カスミさんからヤマネの話を聞いた。 秀さん「なに!!チャッコの奴、許さん!!」
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