淋しい熱帯魚

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秀さん「母さん、熱帯魚はやめて、メダカにしたらどうかの?わしが今、行きよる山の近くの田んぼにメダカがおるんじゃ。」 カスミ「なんで田んぼにメダカがおるん?」 秀さん「その田んぼの近くに、メダカを飼いよる人がおってのう。その人は、道の駅とかでメダカを売りよるんやけど、そのメダカが、田んぼに流れてきとるんよ。色が黄色いのとか、赤いのがおったぞ。」 カスミ「そんなんがおるの?じゃあ、明日行ってみるわ。」 次の日の昼、カスミさんは、昨日、秀さんに教えてもらったメダカがいる田んぼへ行った。道路の端に車を止めて、田んぼへ行くと、巨大な蛇が1匹泳いでいた。 カスミ「イヤアアアア!!蛇!!蛇がおるがね!!」 カスミさんは、急いで田んぼを離れて車に乗り、一目散に家へ帰って行った。 夕方、秀さんが山から帰って来た。チャッコは、台所の余った椅子に座って寝ていた。 秀さん「母さん、今日は、メダカを捕りに行かんかったんかや?」 カスミさんは、キッチンでキュウリを切りながら言った。 カスミ「もう、やめたんよ。魚を飼うのは。」 秀さん「ほうかや。」 そんな2人の会話を聞いたか聞いてないのか、チャッコは大きな欠伸を一つした。
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