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ボーダーライン―母が私に告げた言葉だ。私は、境界線の子供。
健常者でも、障害者でもない、どちらにも行けない子供。それが私なのだと、
母は淡々と私にそう告げた。
「知的障害者でもない、でも普通の子でもない。じゃあ私はどうすれば…」
いつも私は考えていた。
普通学級にも、特別支援学級にも行けない。
常に周囲と同じ動きをするのはしんどい。
…私は、どうすれば良いのだろう?
(誰も教えてくれない、だけど誰か教えて欲しい)
私と同じように、境界線に立たされた子供。
ネットの情報によると、通常学級の15人に1人は、その傾向を示す子供がいるらしい。
その子は笑っているだろうか、それとも笑っていないだろか?
否、私と似たような境遇に置かれている子供が笑っている筈がない。
常に無理な集団生活を強いられ、心身は消耗しきっているに違いない。
15人に1人が、この障害を背負って苦しんでいる。
15人に1人が、「普通」からはみ出して障害者になった。
だけど、この障害を産み出したのは、今の社会の構造ではないか?
障害、障害と安易に決めつけて、得意分野を活かそうとはしない今の世の中をどう想うか?
問題提起をして欲しくて、今日も小説やエッセイを書く。
一人でも多くの人がこの小説を読み、この障害について考えを深めてくれますように。
心の中でそう強く強く願いながら、今日も私はキーボードを叩く。
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