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外で走り回る子供。
砂場で山を作っては崩して遊び回る子供。
ボールを追いかけては投げて笑いあってる子供。
そんな、子供たちの声を聞きながら1人の男は室内に散らばった絵本を片付けていた。
ここは、孤児院。
親に捨てられた子供たちが集まって生活していく場所。
そこで働くのは赤、青、緑、紫、水色、そして桃色の頭をした大人たちだった。
ガタガタと本同士がぶつかる音を鳴らしながら片付けている水色、、黒子テツヤは目線を広場に向けて微笑んだ。
「テツヤせんせ、」
不意に聞こえる幼い声
「どうしました?」と優しく声をかければ黒子を呼んだ幼児はそっとある写真を差し出した。
「えんちょーせんせが、おとしたの。」
幼児から写真を受け取り目を細めた黒子は写真に映る2人の友人に懐かしさを覚えた。
あの頃は誰も後悔をするとは思っていなかったとそう思考が語っていた。
「この黄色い頭のお兄さんと灰色のお兄さんはテツヤせんせたちのお友だちでしょ。」
そう幼児は呟きながら、黒子の膝に座る。
そうですね。とても大切なお友達でした。
だけど、先生たちは2人を助けることも幸せにすることも出来ないまま、2人を失ったんです。
と過去を振り返るように黒子は昔話を始めた。
「むかし、むかし。黄色い髪をした王子が孤独で一人ぼっちの灰色のお姫様に恋をしたんです。」
「せんせ、?」
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