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バシャバシャバシャ。
バシャバシャバシャバシャ。
あれからも相手はついてきている。まだ追いつかれていないが、後ろの足音は大きくなっているようだ。
(なんか、ヤバそう。)
この雨の中でどうして距離を縮めらるのだろう。それがとても怖かった。
その時、ーー
ドーーン。
と稲妻が近くに落ちたようだ。次も同じようになるかもしれない。
(あ、見えた。)
気がつくと、百メートルぐらいに自宅のマンションがあった。
もう満身創痍である。髪の毛が肌に張りつき、息もあがり、足はへろへろとなっている。
しかし、ここで止まれば確実に危ないだろう。今は何でもいいから、早く中へと逃げ込もう。
そう思った。すると、ーー
バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャ。
足音がもう、すぐ側から聞こえていた。
私は駐車場を直進する。表玄関のガラス扉を力いっぱいに開けて敷地内に入った、
が、ーー
(しまった、セキュリティ!!)
このマンションはガラス扉の後に自動ドアがあり、専用の鍵で開けないといけない。これじゃあ行き止まりだ。
(鞄から出さないと、ーーー)
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