一目惚れ

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次の仕事がある蓮は 私が入れた紅茶をイッキに飲みほすと、202号室を出ていった。一人になった私は 今日の疲れをとるため、お風呂に入る用意をしていた。すると 玄関の扉をノックする音が聞こえてきた。 「ミサ?大貴だけど?」 持っていた下着をタンスにしまうと、玄関の扉を開けた。玄関には 両手に林檎を持って立っている大貴がニコニコしながら、 「これ…ミサに、よかったら食べてみてよ。お祖母ちゃんの実家から送ってきたんだ。」 「……ありがとう…。」 「あっ…ごめんね。食べ物あまり食べないんだよね。」 「……大丈夫よ、少しなら食べてるから。」 『食べ物はあまり口にしないけど、大貴がくれたから食べてみよう。』 林檎を受け取ると、手を振って大貴は201号室に戻って行った。隣からは ヤマトのワイワイと大きな声が聞こえてきた。
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