ストーカー

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駅を出て、アパートに向かう道。 じっとりとした視線を感じるようになった。 街灯は少なく頼りない月明りが薄闇を照らしいる。 足早に歩く背後に押し殺したような足音。 裸足なのだろうか。地面を湿った足で歩く微かな音がついてくる。 振り返るが、人の姿はない。 ストーカー行為は、日を追うごとにエスカレートしている。 夜遅く、突如として扉のノブを激しく揺さぶりドアを抉じ開けようとしたり、 カーテンで閉め切られた窓の外から、ガラスを何度も叩く音に目を覚まし カーテンを開けて調べると、夥しい掌の跡が窓ガラスに残されていたりした。 身の危険を感じ、警察に相談するが 犯人の身元も分からず対策は見回りの強化に留まっていた。 引っ越したばかりで新たに引っ越すにはお金もなく、 友人の家を転々とし、相手のほとぼりが冷めるという淡い期待を抱き、 やり過ごすしかなかった。 不安の募るある日。 飲み会で酔いが回り、警戒も考えもなく久し振りに自宅に戻り、ベッドに倒れ込こんだ。
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