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仕事上がり、私と並んで歩く銀さん。
だが…
「相変わらずそのまま帰るんですね」
彼女はメイド服…仕事着のままで帰るのだ。
スーツならまだわかるのだが、有事でもなければ私にそんな強メンタルはない。
「まあ帰るまでが仕事だから」
そういう問題でもない気がする。
まあ個人の考えなので別に構わないのだが。
駐車場にたどり着き、バイクに乗る。
「お疲れ様です、気を付けて帰ってくださいね。最近は物騒なので」
「お疲れ様、西園寺さんも体にお気を付けて」
バイクで走り去る私を眺めていた銀さんが呟いたことを私が知ることはなかった。
ーーーーーー
「さてと、彼女も他の面子も復帰できそうだし…実験を始めるか」
腕輪が姿を変え、円盤に窪みのある板をつけたようなデバイス、『ジュエルディスク』となる。
取り出したのはジュエルと、何やらゴテゴテした機材。
『Build up…』
ディスクに機材を取り付けた途端、機材から放たれた光が人型を作り上げる。
その顔は花家大我に酷似しているが、虚ろな紅い目とタイトな黒のボディスーツが異なっていた。
「いってらっしゃい」
花家大我に酷似したその男は、命じられるままに、西園寺彩を追い始めた。
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