スキル「安産」で異世界を渡る方法

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 石は互いの瞳の色ってことで、二人とも黒になった。でも石の種類が違う。  俺の指輪にはまっているのは黒曜石で、ユーリスの指輪にはまっているのはブラックサファイア。ちょっと茶色っぽい色も混じってる。 「では、誓いのキスを」  司祭が笑い、俺は恥ずかしながら顔を上向かせる。どうしたって身長差がありすぎて、俺は背伸びしても届かない。  ユーリスは少し屈んで、俺の唇に柔らかく触れるだけのキスをする。  瞬間、鳴り響く鐘の音と祝砲の音にビクッと肩を震わせた。 「ここに、二人を夫婦と認めます。末永く幸せに生きなさい」  参列者の歓声と祝福の花びらが舞う中、俺は少し潤んだ目でユーリスを見る。  ユーリスも俺を見て笑って頷いてくれる。  肩を抱かれながらバージンロードを進み、重厚な教会の扉を開ければ外は明るく、多くの歓声が響き渡っている。
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