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一瞬吐き気を感じながらも、嫌悪ではない。単純に喉の奥をついて生理的に嘔吐いただけだ。
それでも飲み込んだ。あまり抵抗がないのが驚きだった。
「飲まなくてもよかったんだぞ」
困ったように瞳を細めて、ユーリスさんは笑っている。俺はそれに笑って返した。
「俺がしたかったんです」
本心だ。だから笑えるんだ。彼の触れたところに嫌悪なんてない。
嫌な気持ちが塗り替えられていく。それに安堵した。
「眠いのか?」
俺の目は半分くらい閉じていたんだろう。優しく問われ、髪を梳かれ、口づけられる。
気持ちがいい、とても安心する。
俺はそのまま穏やかな気持ちで温かな腕に抱かれて眠った。
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