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俺もそれに笑い返して、水晶の前にある椅子に腰を下ろした。
「まずはこの水晶に手を触れてください」
「えっと…こう?」
かざして下さいじゃなくて、触れて下さいだ。俺は躊躇いながらも水晶の上に手を置いた。
「はい、それで大丈夫ですよ。まずは戦士スキルをチェックしますね」
俺の目の前に降りて来たガラス板の中を、もの凄い勢いで文字が通り過ぎていく。
剣士、魔法剣士、槍使い、弓使い、メイス、ペガサスナイト、ドラゴンスレイヤー、暗殺者、斧戦士…………。
「あれ?」
画面から全ての文字が消えていく。何も残らないけれど…。
「どうやら、戦士スキルはお持ちではないようですね」
「ははは…」
ですよね。だって、ステータスへっぽこ過ぎるし。
「次は魔道スキルを見てみます」
さっきと同じように文字が流れていく。
炎魔道士、水魔道士、風魔道士、土魔道士、光魔道士、闇魔道士、召喚師、支援魔道士…。
「あ………」
やっぱり何も残らない。俺には戦闘に役立つスキルはないらしい。
「まだ大丈夫です! 冒険者ではなくても手に職はつくんですよ。次は職業スキルを見てみましょう」
薬剤師、アイテム生成、獣使い、防具生成、武器生成、導き…………。
「………」
以下同文である。
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