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シスターさんは明らかにオロオロし始める。
つまり俺って、もの凄く役立たずなわけだ。
分かってる、元の世界でだって何の取り柄もない平凡な人間だった。全てにおいて真ん中辺りだ。
分かっているさ、こんな結果。
…畜生、涙が出る。
「あの、お気を落とさずに! まだ何か…何かありますから!」
「あの、平気です。スキルなくても地道に地味に生きていければ」
「そんな! あの、待って下さい。他にも……あ!」
シスターさんの目が僅かに輝く。そして腰を浮かせていた俺をもう一度座らせて、水晶に手を置くように促した。
「普段はあまり調べないのですが、特殊スキルの項目があるのです。それを試してみましょう!」
「特殊スキルって…」
俺にそんな一発逆転なものってあると思うのか?
「特殊スキルは持っている事があまりに稀で、調べるだけ無駄って感じの項目です」
「そんなの俺には…」
「異世界から渡ってこられた方に出現する可能性が高いですし、特化スキルですので他のスキルにまったく掠りもしなかった方が持っている可能性があります! 諦めてはいけません!」
お姉さん、これで俺がすっからかんなら俺立ち直れないんだけどな。
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