自分がバカだとは知っていたけれど、ここまでとは思わなかった

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 脳みそが揺れたのもそうだし、体の中にダメージがあった。ある意味見える怪我をしたユーリスさんよりも酷いと言われてしまった。  治療され、ベッドに横になっても回るような目眩がして、それに酔って何度か吐いた。  胃は空っぽで、口の中が酸っぱくなってしまう。  当然食べれるわけもなく、今朝ようやくスープを頂いた。 「人間って、やっぱり弱いのな」 「そうみたいだね」 「うんうん。マコトも早く元気にならないと、ユーリスが起きて心配するからさ」  キラキラ光るお日様みたいな笑顔に、俺は曖昧に笑った。  ユーリスさんはまだ眠っている。  命に別状があるわけではないけれど、出血が少し多かったみたいだ。  今朝も見に行ったけれど、静かに寝ているばかりだった。  命を救われたのは、これで三度目。一度目は森で、二度目は売られそうになって、三度目は昨日。なのに俺は、されるがままだ。 「マコト?」  ダメだ、俺の涙腺はこの世界で急に崩壊を始めたらしい。気づけば涙が伝っていた。  オロオロしたロシュくんが服の裾で目元を拭ってくれる。見た目は俺よりいくつか下なのに、今は頼もしくて仕方がない。 「大丈夫だって、本当に。ユーリス強いんだからさ、平気。明日には目が覚めるって」 「…うん」  俺は思っていた。助けてくれたユーリスさんに、何を返せるのかって。     
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