自分がバカだとは知っていたけれど、ここまでとは思わなかった

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 言えよ俺。一番大事なんだよこれが。  ユーリスさんは優しいから、自分の要求を俺に押しつけたりきっとしない。俺が俺の意志で了承しないとダメなんだ。 「だから、薬つかって俺を抱いてもらえませんか?」  震えながらでも、俺は言えた。沢山の勇気を振り絞った。未だに手は震えている。本当に情けない。役立たずで根性無しじゃどうしようもないだろう。  ユーリスさんは驚きから戻ってこないのか、呆然と俺を見ている。  その視線がいたたまれない。  俺は立ち上がって、服を脱いだ。 「マコト!」  一糸まとわぬ姿なんて、いたたまれないなんてもんじゃない。恥ずかしさに泣けそうだ。  でも、決めたから平気だ。  お膳立てだって必要かもしれない。こんなの抱くんだから、ちゃんと誘わないと乗ってくれないと思う。  そのまま側に行って、ベッドに片膝を乗せてみる。  でも俺は経験ないから、どうやって誘っていいか分からない。  気恥ずかしくてAV見るの控えたりしなければよかった。本当に数えるくらいしか見てないし、男友達とネタのように見て盛り上がったくらいでちゃんと覚えてない。  年相応の経験しとけば今困らなかったのに。 「抱いてください。俺、ユーリスさんの子供産みますから」  目頭が熱い。     
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