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繰り返して、ふと冷静になって、なぬ! となっている。
家族になるって事は結婚するってことだけれど、抜けてた。
えっと、これってデキ婚? 親御さんにご挨拶もしてないのに? しかも相手は王子様!
「マコト?」
様子の違う俺に、ユーリスさんは少し戸惑った様子だった。
俺もちょっとパニックだった。
「俺、挨拶とかしてない」
「いいよ、後で向こうがくる」
「嫁としてどうなの!」
「いいんだよ、本当に。反対なんてさせないさ」
笑われて、抱き込まれて。
なんかこの腕特殊な魔法かってくらい安心する。
徐々に意識が途切れてきて、俺は目を閉じた。
下腹がやっぱり温かい。まさか俺が家族を産むなんて想像してなかったけれど、この温かいものを守っていくのは存外好きで、生まれてくる子を今から愛おしんでいるような気がして、とても幸せに思えている。
こんな異世界ライフも、多分俺にはありだったんだな。
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