「息子さんを俺にください!」は俺の台詞じゃなかったか

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 婆さんに聞いてみる。何日も食べられないんじゃ、流石に心配。俺がしっかり食べないと、お腹の子とか成長できないでしょ?  でも、婆さんはそれほど心配していない様子で笑った。 「1日もあれば治りますよ。明日にはけろっとしておいでのはずです」 「そんなに短いの?」  だって、何ヶ月も食べられないとか、聞いた事あるよ。子供心に大変なんだなって思ったよ。  ユーリスさんも首を傾げている。やっぱり、そんなに早く治らないんじゃ。 「婆、竜人の妊娠期間は7ヶ月。悪阻も1ヶ月は続くと聞くが」 「マコト様は安産スキルレベル100。しかも、付属スキルに成長促進がありますな」 「はい…」 「その影響でしょうね。腹の子は見る間に育っておりますよ。昨夜お手がついたと伺いましたが、既に1ヶ月以上は育った様子です。この分なら、7日ほどでお生まれになるでしょう」 「「………は?」」  俺とユーリスさんは顔を見合わせた。  え、7日? 1週間ってこと? どんなお手軽妊婦ライフ? え……早けりゃいいってもんじゃないでしょ! 「嘘…でしょ?」 「おや、嘘などつきませんよ。これでも婆は国一番の医療スキルの使い手です。今まで見誤った事などありませんぞ」 「いや、流石に…」  心構えとか、覚悟とか、準備とか、諸々とか…。     
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