「息子さんを俺にください!」は俺の台詞じゃなかったか

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 まぁ、そうだよな。自分の息子に子供が出来ましたって知ったら、親としては驚くし、まずは顔見せろって事になるよな。  でも…ん? 王子様のユーリスさんのご両親って事は…王様と、お妃様……。  俺は腰を上げて青い顔をした。  ちょっと、色々まずい?  だって、どこの馬の骨かって奴が王子様のお嫁さんになりたいって、どうなの。  あるでしょ、格式とか血筋とか、生まれはどちら? 的な。 「あの、俺…」  何にも持ってない。そのことに、打ちのめされる。  大好きだけじゃどうにもならない世界ってのもあって、ユーリスさんは確実にそういう世界の人だ。 「マコト!」  ギュッと抱きしめられて、頬を拭われて、泣いてたって知った。  震えてきて、ひたすら「どうしよう」が頭の中を流れた。  背中を撫でる手が心強い。 「何があっても守る。それに、俺の父と母はきっとマコトを気に入ってくれる」 「でも、俺何にも持ってない…」 「いいんだ。俺が選んだんだ。それにもし反対するなら、俺はこの国を出るから」 「…え?」  さらっと、なんか言った。  俺が見上げると、すごくしっかりと頷いてくれた。 「俺はA級の冒険者だ。マコトと子供くらい、十分に養っていける」 「でも…」 「いいんだ。だから、安心していい。俺が離れる事はないと誓う」     
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