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「俺は…ユーリスの事が好きです。俺は本当に何も出来ないかもしれないけれど、ただひたすら愛してるって事だけ本当だから。この気持ちだけしか渡せないけれど、今後も一緒にいてくれるかな?」
これでいいのだろうか。
決まった言葉はなくて、気持ちを伝え合うのが誓いの言葉だって教えてもらったから、そのようにした。
でもこれ、公開プロポーズみたいですんごい恥ずかしい。
頬も耳も首も真っ赤だろうなってくらい熱くなる。
そんな俺に、ユーリスも真っ赤になって頷いた。
「勿論、それで構わない。君を生涯幸せにする。この気持ちに嘘はないと誓って言える」
「ユーリス…」
抱き合って、嬉しくて笑った。
そんな俺達の前にすかさず司祭さんが指輪を差し出してくる。銀の指輪に黒い宝石のはまったその指輪を、ユーリスは丁寧の俺の左手薬指にはめる。
俺も同じくした。
身につける揃いのアクセサリーを結婚式で贈り合うのが通例。けれどアクセサリーの種類はみんなバラバラでいい。
そんな緩い事でいいのかと思ったが、いいらしい。
唯一既婚者のランセルさんなんて、首輪を贈ったらしい。
奥さん、凄く嫌な顔をしてたけれど…。
これ、外れないんだって。凄いよね。
ユーリスは拘りがないって言って、俺の世界の結婚式の事を聞いてきた。
だから俺は日本らしい指輪の交換の話をして、いたく気に入られた。
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