3313人が本棚に入れています
本棚に追加
「奴らは根を生やした場所から動く事ができない。だから自分の種を人型の種族に植え付けて遠方へと運ばせるんだ」
ってことは、俺はまさに種付けされるところだったってことなのか?
考えるとゾワゾワして、思わず自分を抱いてブルッと震える。
ユーリスさんはその様子に気の毒そうな顔をした。
「あの、種を植え付けられるとどうなるんです?」
「植え付けたら解放して、種を運ばせる。種は約一ヶ月程度で発芽するが、そうなるとお終いだ。腹の中で発芽して、そのまま体を突き破る。宿された者は絶命し、そのまま種の養分だ」
「うえぇぇぇっ」
俺ってば本当に命の危機だったじゃないの! ってか、そんなサイコな光景想像したくない。俺の腹は俺のであってお前のじゃないぞ!
ユーリスさんは笑って、よしよしと頭を撫でて慰めてくれる。
俺は本格的にこの人に頭が上がらない。大恩人だ。
「まぁ、一ヶ月もあれば人のいる町に辿り着く。病院に駆け込めば、正しく処置してもらえるよ」
「処置で除去できるんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!