胃袋を掴むのはどこの世界でも必須項目なのか

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「あまり気にしなくていいんだが…そうだな。実を言うと、その申し出は有り難いんだ。俺も単純な料理はできるが、手の入ったものは作れない。それに、同じ味になりがちで飽きるしな」  苦笑して任せてくれた人に、俺は満面の笑みを浮かべて力強く頷いた。  それでも今夜は一階の食事処でご飯。俺はシチューとパンを頂いている。  対面のユーリスさんは凄い量だ。  シチューとパンは一緒だが、そこにサラダとステーキとお酒が並ぶ。  しかも俺より一つの量が多い。 「マコトはそんなに少しでいいのか?」 「お腹いっぱいですよ」  苦笑すると、マスターさんが側にきて笑う。  そして、俺の前に人間サイズのグラスを置いてお酒を注いだ。 「ユーリスさん、人間と竜人とでは食べる量が違いますよ。彼は人間としてはごくごく普通に食べています」 「そうなのか。つい自分の基準で見てしまうな」  苦笑して、食事を勧めていくユーリスさんの食べっぷりはいっそ気持ちがいい。  こんなに食べてくれるなら作りがいがあるだろう。  そして俺は気合いを入れた。明日、頑張ろう。 「あぁ、そうだマスター。明日キッチンを借りたいんだが、空いているか?」 「えぇ、どうぞ。よろしければまた、何かお作りいたしますよ」  二人はこんな会話をしている。  どうやらユーリスさんはここで作って貰って、それを持ち歩いているようだ。 「いや、今回は彼が作ってくれるそうだ」     
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